
式会社TKC発行の企業向け情報誌「戦略経営者」2025年11月号で当事務所のお客様である、株式会社フジコー様がご紹介されました。
◎フジコー 萩尾寿昭 代表取締役社長
オンリーワンの技術で社会に価値を提供する
鉄鋼メーカー、官公庁、自治体、一般家庭など幅広い顧客を相手に、多彩な事業を展開しているフジコー。同社を率いる萩尾寿昭社長は「当社の歴史は〝技術開発の歴史〟と言っても過言ではなく、創業以来常にオンリーワンの技術を追求してきました」と語る。
「当社の成長力の源泉、それは絶え間ない技術開発にあります。当社は創業以来、社会課題の解決に貢献するオンリーワンの技術を追い求めてきました。200件超にのぼる特許技術がその証しです」
フジコーの萩尾寿昭社長はこう断言する。

はぎお・としあき
1973年生まれ。2004年3月に、フジコーに入社。山陽工場長、総務部部長、取締役、専務等を経て16年に代表取締役社長に就任。座右の銘は「継続は力なり」。
独自技術を武器に新事業を展開
福岡県北九州市を拠点に鉄鋼設備の設計・製造・据え付け・メンテナンス、鉄鋼製品の加工装置であるロールローラーの製造・販売、公共施設や発電所等の建設・解体といった公共工事など、幅広い事業を進めている同社。近年は、酸化チタン光触媒※を活用した除菌・消臭製品の製造・販売にも力を注いでいる。
ラインアップは空気清浄機、消臭抗菌床タイル、手のひらサイズの除菌・消臭グッズの3種類。なかでも、空気清浄機は小型から大型の製品まで幅広く展開しており、これまでに30万台以上を販売。主にオフィスや一般家庭、託児施設、医療機関など全国で活用されているという。
「当社では鉄鋼製品の耐久性、耐熱性を高めるために生み出した独自の溶射技術を生かし、光触媒に抗菌金属である銀をブレンドした素材を、空気清浄機のフィルターや床材などにコーティングしています。この方法により、光触媒の濃度を下げることなく、かつ効率的に成膜できるので、除菌・消臭機能が長持ちします」(萩尾社長)
同社が除菌・消臭に特化した製品を手がけるようになったのは、ある大学教授からの依頼がきっかけだった。萩尾社長は当時を次のように振り返る。
「当社の溶射技術に目を付けた九州工業大学の教授が、光触媒のコーティングに関する共同実験を要請してきたのです。実際に溶射技術を使って光触媒を床材に塗布したところ、光触媒の性能を保ったままコーティングすることに成功しました。この結果を受け、『空気清浄機や除菌グッズなど、幅広い用途に使えるのではないか』と思い至ったことが、この事業を立ち上げたきっかけです。また、最近は溶射技術をさらに発展させた方法での成膜にも挑戦しています。この技術では、光触媒のコーティング性能を維持しつつ、環境負荷の軽減とコスト削減に成功しています」
ちなみに、同社ではこれ以外にも消臭や除菌効果を実証するための試験を数多く実施しており、その結果をすべてホームページで公開している。
※光触媒…光を照射することで触媒作用を示す物質で、主に酸化チタンなどがある

溶射技術で光触媒を塗布した空気清浄機は除菌・消臭に優れている
業績は自社を知る〝羅針盤〟
九州の北端に位置する北九州市若松区響町。関門海峡の西に広がる響灘のほど近くに、技術開発センターは構えている。2019年に現在の場所に移転したこの施設では、50人程度の社員が勤務しており、鉄鋼関係や空間除菌関係の製品はもちろん、事業化には至っていないもののビジネスの可能性を秘めている新技術の開発を進めている。
特筆すべきは技術開発にかける投資額だ。同社では毎年5億円前後を新技術の研究予算として確保しており、その大部分を技術開発センターに在籍している社員の人件費に充(あ)てているという。 「一部は国や自治体からの助成金で賄っている」と萩尾社長は補足するが、粗利益のおよそ3分の1にあたる金額を研究開発予算として確保しつつ、毎期黒字決算を実現しているというからすごい。
いかにして技術開発予算を捻出(ねんしゅつ)しているのか。その取り組みを、萩尾社長は次のように説明する。
「第1に意識しているのは、『新たな技術が売り上げに貢献できるか』です。特に当社の稼ぎ頭である鉄鋼事業で売り上げを多く上げられるよう、顧客と綿密にコミュニケーションを取りながら、ニーズに合った機械を製造・販売し、工事を受注し、設備をメンテナンスしています。その次に意識しているのは『経費を使いすぎていないか』。例えば、外注費が増えていれば部門の責任者などに原因をヒアリングし、内製化など外注比率を減らすための取り組みを進めています」
こうした、自社の業績について議論する場が毎月の役員会議である。同社では萩尾社長、山本厚生会長をはじめ、各部門の役員が一堂に会し、業績報告と目標達成に向けた打ち手を話し合っている。
「当社に入る前は金融機関に勤めており、当時から会計が自社の現在地を知る〝羅針盤〟であると理解していました。この考えは会社を率いる立場になった今も変わっていません。自社の現状を把握し、自社の行方を左右する大きな意思決定を下す際は、必ず足元の業績を確認しています」と、萩尾社長は業績管理の重要性を力強い口調で説く。


技術開発センターでは社会に価値を与える新技術の研究が進められている
「技術開発に終わりはない」
このように新技術の開発に余念のない同社。今も、事業化の可能性を秘めたさまざまなプロジェクトが進行している。
その一つが「円筒型太陽電池」である。従来の太陽電池は平板型で設置するには広大な敷地を必要とするが、円筒型太陽電池は蛍光灯を彷彿(ほうふつ)とさせる形状で、軽量かつ設置場所の制約を受けにくいという特徴を持つ。現在は共同研究機関である電気通信大学のほか、東京都内にある地域住民向けコミュニティースペースなどで設置されているという。
「たとえば、電気通信大学では非常階段の柵に円筒型太陽電池が取り付けられています。現在は事業化に向けて品質に磨きをかけているところです」(萩尾社長)
このように、同社では新技術を次々と開発し、ビジネスにつなげてきた。その道のりは順風満帆のように見えるが、実際のところは困難の連続。萩尾社長によると、事業化にこぎ着けることなく幕を閉じたプロジェクトも少なくないという。
「ビジネスにつながらなかったという意味では失敗だったのかもしれませんが、プロジェクトを通して得た知見は、また別の技術開発に応用することができます。重要なのは『失敗を次につなげることができるか』。当社では、研究開発を進めるうえで採算性はさほど重視していませんし、社員にも失敗を恐れず何事にも果敢にチャレンジするよう伝えています」
この言葉どおり、同社ではプロジェクトの立ち上げや継続・中止を、その技術が社会貢献につながるものか、あるいは大手が同様の事業を手がけていないかを軸に判断している。このように失敗を恐れず、果敢な挑戦を称(たた)える社風が根づいているからこそ、社員がモチベーションを高く保ち、研究開発に集中することができるのだ。
「技術開発に終わりはありません。私が入社してから約20年で年商が2倍になりましたから、今後もオンリーワン技術の開発を追求し、20年後には年商をさらに倍にしたいですね」
そう言ってはにかむ萩尾社長。北九州から日本、そして世界へ。社会をより良くするために、同社はこれからも価値のある新技術を生み出していく。
※光触媒…光を照射することで触媒作用を示す物質で、主に酸化チタンなどがある
「証憑保存機能」で経理業務を大幅に合理化
能丸・松原税理士法人
福岡県北九州市八幡東区西本町4-14-14-101
税理士 能丸政孝 税理士 松原友慈
フジコーさんは西日本シティ銀行さんの紹介で顧問契約を結びました。2006年のことです。技術力に長(た)けた会社という印象で、毎年のように多くの資金を研究開発費に投じていることが、これまで右肩上がりのペースで成長してきた要因であると考えています。内部統制もしっかりされており、業績も緻密に管理して意思決定の判断材料に活用されています。
顧問当初は『FX2』で経理を行っていましたが、企業規模の拡大にあわせてスタンドアロン版の『FX4』、そして『FX4クラウド』と会計システムをアップグレードしていきました。経理担当者は北九州市にある本社に3名、全国の各拠点に1名在籍しています。
業務を効率化する機能を徹底的に活用されていますが、とりわけ重宝されているのが「証憑(しょうひょう)保存機能」です。以前は各拠点の証憑書類を本社に集約していました。郵送や保管にコストがかかること、紛失リスクが生じてしまうことが懸念事項でしたが、「証憑保存機能」によってこれらの課題が一挙に解決しました。
月次巡回監査は毎月20日前後に実施しています。訪問から2時間程度は『FX4クラウド』に入力された取引データと証憑書類のチェックを行い、その後1時間程度の時間を設けて経理担当者の質問対応を行っています。補助金を受給した際の圧縮記帳の方法など、質問事項をあらかじめ整理したうえで質問されるので、限られた時間で的確に対応することができています。

左から能丸政孝税理士、萩尾寿昭社長、松原友慈税理士